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未開封品でございますが、包装ビニール裏面に一部破れとその部分に汚れがございます。
毎度御馴染み”Abbey Road Mastering”Peter Mewによるリマスターでございます。
低音強調や音の輪郭が角張る等々と現代感に合わせたPeter Mew独特のリミックス感がございますが、良心的ではあると思われます。
内容は言わずもがな。
ラインアップはグラム期名手揃い。
御存知!故David Bowie(Vo、G、Sax)、故Mick Ronson(G、Key、P、Vo 、ストリングス・アレンジ担当。後にかのIan Hunterと合流)、故Trevor Bolder(B、Trumpet 後にUriah Heep、Wishbone Ash)、
Woody Woodmansey(Ds)となります。
尚、匿名でかのRick Wakeman(Key)、Dana Gillespie(B-vo)、それぞれ”It ain"t Easy”一曲のみ参加となります。
プロデュースは故David BowieとKen Scott(Mahavishnu Orchestra、Supertramp、Jeff Beck等手掛ける)となります。
1971年2月4日、7月9日(”It ain"t Easy”一曲)、11月8・11~12・15日英国ロンドンかの”Trident Studios”での制作となります。
そもそもが不思議な活動経歴を持つ故David Bowie。
60年代特有のビート・ポップ系ミュージシャンで登場するものの、画家であり、前衛音楽系バンドでサックス奏者として活動、またかのリンゼイ・ケンプの下で様々な演劇・パントマイム等を学ぶ、というもの。
その中で、かの”Tyrannosaurus Rex”の前座でパントマイム演技を行い大評判を取った事で、かの”EMI”と契約。表舞台に浮上と相成ります。
その”Tyrannosaurus Rex”の応用系アート/フォーク・ロック路線を指向し、大傑作”Space Oddity”を制作。
当時米国アポロ11号の月面着陸での英国イベントにタイトル楽曲が起用され、大きな成功を収める事となります。
されど故David Bowieは「音楽を演じる俳優」。
興味を持った音楽を演じるというもので、自身が演じ切ったと感じれば新たに興味を持った音楽に移行し演じていくというもの。
無意識的に時代の先を掴んでいく事となり、当時のグラムやハード・ロック、プログレッシヴ・ロック含めたアート・ロックに強い興味を抱く事となります。
そしてその音楽性実現の為に故Mick Ronson等をスカウト。
前作大成功という様々な圧力の中、故David Bowie自身が抱えていた様々な精神的負債を曝け出したかの大傑作”The Man Who Sold the World”を制作。
その傾向を強める事となります。
更には男女の境の無い外見を指向、音楽性共々賛否を呼ぶ事となります。
英国では評価されたものの米国ではチャートアクション/セールス的に惨敗。
音楽性の修正を図る上で2ndの粗さを反省したものの、音楽的なインプットを齎す故Mick Ronsonとの邂逅が切っ掛けとなりバンド体制を本格的に確立。
アート性とポピュラー洗練度を強めた大傑作”Hunky Dory”を制作する事となります。
英国では非常に大きな成功を収め、米国では2ndよりも良い評価を得る事となりますが、当時はアート・ロック系全盛期。
アルバム・ジャケットのみならずヴィジュアル面や演劇性を音楽性に取り込んでみたいとの願望を持った故David BowieはSF系シナリオをコンセプトに新作を制作したい願望に駆られる事となります。
シナリオを構築する中、ステージ・キャラクターとして”Ziggy Stardust”を産み出す事となります。
そして人気が過熱しツアースケジュールが過密化する中でも、創作意欲は旺盛。
ツアーの合間を縫う短期間制作となるものの制作には自信を持っており(今作のヴォーカル録音は殆ど1テイクの模様)、満を持して制作に乗り出す....................という経緯がございます.................................
さて今作。
地球滅亡5年前、英国ロンドンに降り立った火星人がショー・ビジネスに関わる事となり大きな成功を収める事となりますが、世間の偏見に晒され、またその世界の堕落、腐敗の中で翻弄され、
最後には変わり果てた姿で自滅・消滅していく................という感のあるSF物語的な作品でございます。
故David Bowie自身が活動するショー・ビジネスとその取り巻く堕落した環境を告発、という感も窺えるものでございます。
David Bowie自身は活動の集大成と捉えていた感が窺えるもので、アシッド・フォーク期からハード/ヘヴィ・ロック指向期、グラム含めたアート・ロック指向を一纏めにした感がございます。
されど”Soul Love”そして今作の締めとなる”Rock"n"Roll Suicide”では後の”Blue Eyed Soul指向”(故David Bowie自嘲の”Plastic Soul(インチキ・ソウル・ミュージック)”)が窺える”DooWap”等の音楽性が聴かれる事がミソ。
既に興味が無意識的に次に移りつつあるという感が窺えるもの。
非常に興味深いものがございます..................
リリース後は大ヒット。
チャートアクション/セールスも鰻登りで、英国のみならず米国や他国でも高い評価とセールスを記録する事となります。
故David Bowie自身は時代の申し子となり活動が順風満帆となりますが、
大成功と裏腹に自身の造り出したステージ・キャラクター”Ziggy Stardust”による音楽的そしてビジネス的制約に徐々に苛まれていく事となっていきます.........................
David Bowie一連の活動内では一番印象が強い作品でございますが、そもそもグラム全盛期とりわけ”Ziggy Stardust”時代が案外短いもの。
作品自体が非常に貴重なものとなっております。
ボーナスCDは12曲。
かの”Arnold Corn”プロジェクト音源2曲にデモ録音2曲、シングルB面楽曲2曲に未発表楽曲4曲、テイク違い/新ミックス各1曲となります。
David Bowieのサイド・プロジェクト”Arnold Corns”での録音でシングル・リリース作二曲。
(ラインナップは故David Bowie(Vo、G、P)/Freddie Burretti(Vo)/Mark Carr-Prichard(G)/Pete De Somogyl(B)/Tim Broadbent(Ds) )
デモ楽曲2曲は故David Bowieによるギターの弾き語りによるものでございますが、デモとは言え結構質の高い出来。
故David Bowie自身が応用フォーク・ロックとも(現在で言う)アシッド・フォークともいう路線にて表舞台に登場した事が窺えるもの。
(その路線であったTyrannosourus Rexの前座でのパントマイム演技が評判を呼び、故David Bowieの本格的なメジャー浮上に繋がった)
如何様にもアレンジ可能という基礎素材の良さが感じられるもので、非常に興味深いものでございます。
当時のシングルB面曲2曲”John、I"m Only Dancing””Velvet Goldmine”。
前者は当時のライヴ終盤に演奏されていた隠れ名曲でございます。
1970年11月9、11~13日英国ロンドン”Island Studios”で収録された”David Bowie & the Spiders from Mars”ラインナップによる4曲。
”Sweet Head”も上記に準じますが、テイク違いがミソでございます。
「月世界の白日夢」のニュー・ミックスは1998年にCM用に制作されたものの模様でございます。
以上となります。
この機会に是非。